海外で妊娠生活を過ごし出産された方々は、母子手帳を持っていますか?
私は妊娠が確定して母子手帳をもらいにいくのを内心楽しみにしていたのですが、海外在住者の母子手帳交付について調べてみると、現在は領事館に行っても母子手帳はもらえないらしいですね。(ソース:https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ghp/page3_000780.html)
日本国内でも今後デジタル化していく動きもあるとかないとか。こども家庭庁のホームページには母子手帳のPDFファイルが公開されていましたし、母子手帳アプリもあるみたいです。
これは、今でも手元に大事に保管してある、母からもらった私たち親子の母子手帳。私自身が妊婦になって改めて見返す機会も増え、今の私にはとても大切なものになっています。「これが私の子では電子版かぁ。。」と思うとやはり寂しく、どうにかして紙の母子手帳を持てないか考えてみました。
紙媒体での試行錯誤
まず試したのが、手元には余っていたA6のツイストノート(ルーズリーフ)。ちょうど、手元にある私自身の母子手帳と同じサイズです。ルーズリーフタイプはページの入れ替えが自在なので、上手く使えたらかなり便利そうです。
印刷する母子手帳のデータは、母子保健推進会議のHP(http://www.bosui.or.jp/research01.html)で公開されていた英語と日本語の両方が記載されているタイプの母子手帳。(英語の他にも、中国語や韓国語など、全10カ国語に対応した母子手帳が作成されています)カナダには母子手帳という文化はないので、病院側に記載をお願いすることはなさそうですが、有事の際に役立つ可能性があることや、夫の読みやすさも考慮してバイリンガルタイプを選びました。
実際に印刷を始めてみて気づいたのですが、なんと全部で117ページもあり自宅で製本するには結構なボリューム。しかも、バイリンガルということもあってページの文字密度が高い。とりあえず、直近で使いそうなところだけを印刷して試しに記入してみましたが、A6だと小さすぎて書き込むのが大変だと実感し、この計画は頓挫しました。
それから、大きめのルーズリーフを買い直すことも検討しましたが、やはり持ち運びの利便性を考えるとイマイチかなぁと。ただでさえ子供の荷物って多くて大変そうなのに、一時帰国時のことも考えると、デジタル化が合理的かもしれないと思い始めました。
ノートアプリの試行錯誤
まず試したのが、Apple純正アプリの“ブック“。
PDFファイルを開いて、共有ボタンからブックを選択すると、ブックアプリ内にPDFがダウンロードできます。ブックに保存されたファイルは書き込みもできるので、手書きで情報を書き足していくことも簡単。
iCloud 同期しておけばiPhoneからも閲覧・編集できるので、持ち運びも楽です。Appleのデバイスにはデフォルトで入っているアプリなので、アプリを新たにダウンロードする必要もなく、一番シンプルなやり方かなと思います。
ただ、私が使ってみて不便と感じたのは、このファイル内に新たなPDFを差し込んだり、画像を入れたりといった編集ができないこと。母子手帳の中には見開きで書き込むページがあるのですが、スクロールしないと見れない状況になってしまっているのがすごく気になりました。また、妊娠週数が経過していくほどに、ペンで書き込むだけでなく、エコー写真を貼ったり、他のデータを入れたりしたいなと思うことが増えてきて、使いづらさを感じるようになりました。
ノートアプリNoteshelf3に落ち着きました
純正アプリでダメならノートアプリを探してみるかと、goodnotes6やFlexcil などのアプリを試してようやくNoteshelf3に落ち着きました。どれも無料で使えるものですが、ノートの冊数や機能などに制限があります。
その中でも一番使い勝手がよく、課金したいと思えたのがNoteshelf3。ちなみに、Noteshelf3は無料で3冊までノートが作れて機能制限もほぼないので、母子手帳だけなら課金しなくても十分使えます。
ダウンロードした母子手帳のPFDファイルに、画像を貼り付けたり、新たなページを差し込んだりと自由が効くので、ブックの上位互換アプリという印象でした。
Noteshelf3の良さについて詳しくは、こちらの記事で語っています。
海外での母子手帳の使い方
海外では母子手帳というツールがないので、検診等で提出することは一切していません。わかる範囲で自分で書き込んで情報を蓄積しています。正直、直近で役に立つ訳ではありませんが、いつか日本に本帰国することがあったりした場合や有事には役立つと信じて記録しています。
ちなみに、先日受けた歯科検診では、担当の歯科衛生士さんに母子手帳の記入欄を見せて、「こういうの記録してるんだけど」と話してみたところ、各項目のYes or Noを快く教えてくれました。自分1人では判断できないことだったので、相談してみてよかったです。
母子手帳の中には、『出産の記録』というお産にかかった時間や分娩方法、新生児の体調を記入するページがありますが、ここも自分では書けそうにないので、出産当日はこのページを紙に印刷して病院に持参し、書いてもらえたらいいなと思っています!
使ってみて感じたデジタル版のメリット
当初『母子手帳は紙一択!』と思っていた私ですが、実際にiPad で母子手帳を管理してみると、メリットをたくさん感じています。
まずは、データ化した検査結果や書類をページ内に挟んでおけるということ。クリニック等からもらう正式な書類が一緒にファイリングできれば、母子手帳のない文化圏のスタッフに記入を依頼する必要なく、情報を蓄積することができます。その他にも、体重管理の目的で体重増加曲線のファイルを挟んで、自分なりに体重の増え方を確認してみたり、エコーの写真をデータ化して挟んでみたりと、私の母子手帳の中にはいろんな書類が入っています。
紙の冊子で同じようなことをしようとすると、書類のサイズによっては折り畳まなければならなかったり、色褪せたりして、見やすさが損なわれてしまうところですが、デジタルなら何も気にせず綺麗にまとめることができます。
そして、持ち運びの便利さ。普段はiPad で記録して、出先ではiphoneで閲覧するので荷物が増えません。また、先ほども書いたように、どんなに書類を増やしても嵩張らないのもデジタルのメリットですね。
デジタル版の母子手帳といっても、アプリとは違って手書きで書き込めるので文字の温かみがあるし、ステッカーやイラスト・ペンの色などでデコレーションしたい場合も、下手したらアナログノートより簡単かもしれません。
今後の運用方法
これから出産、そして子どもの検診や予防接種が始まった時にどうやって使っていくかはまだまだ未知数ですし、日本で見せる機会があった時にデジタル版の母子手帳内の情報をどう提出すれば良いのかは正直わかっていません。(日本政府がデジタル化を進めているからには、いずれ何かしら提出方法が定まるとは思うのですが)
それでも、小学校に上がるまでは記録すると言われている母子手帳。実際に、6歳児検診の記入欄まで入っています。「海外で手に入らないから」と全く情報を残しておかないよりは、データでもあった方が今後の役に立つと思います。
いつか全ての記入が終わった時には、製本して子どもに渡してあげるのもいいかもしれないなと思っています。
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