ゲーム『unpacking』 と私の暮らし

作業部屋にて

(ゲーム内容のネタバレを含みます。ご注意ください。)

去年購入してそのままになっていた『unpacking』というゲームを、先日ようやくプレイした。このゲームは、タイトルの通りゲーム内の主人公の荷解きをひたすらにこないしていくゲームだ。

一見シンプルなゲームだけれど、場面をクリアしていくごとに時が経ち、言葉では語られないストーリーが荷物を通して次第に見えてくるのがとても面白かった。

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リアルなアイテム達でインテリア術も学ぶ

また、絶妙にリアルで『あるある!』なアイテムのラインナップと美しいドット絵も魅力的だった。思い出のぬいぐるみや、お気に入りのキャラクターグッズ、生活感のある日用品、当時の好みやお下がりなどで増えた統一感のない家具家電たち、、、心当たりがありすぎる。

モデルルームのような理想の部屋づくりをするゲームも面白いけれど、こうやって寄せ集めの家具たちで始める新生活のあのワクワク感をゲームの主人公を通して味わえるのは新鮮であり、不思議と懐かしくもある。

ごちゃっとした部屋をスッキリと見せるための試行錯誤にも役立って、色やサイズ、テイストを揃えて飾ることが本当に大事なんだなと気づくことができた。あとは三角構成。

アイテムの配置・収納する場所はある程度自由に考えることができるので、ゲーム内の登場人物を考察しながら部屋づくりをしていくのが楽しくて、あっという間に何時間も溶けてしまった。

お気に入りの部屋、その1。
お気に入りの部屋、その2。

見えてくるストーリーと現実の暮らし

特に印象深いステージは、2010年。明らかにこれまでの部屋の雰囲気が違っていて、彼氏の家で同棲が始まるのだと一目で分かった。

ホテルのようにアイテムの雰囲気が統一されている洒落た彼の部屋に、運び込まれた主人公の荷物。彼女がこれまでの生活で手に入れてきたポップな(大量の)荷物たちを配置していくと、洗練されていた彼の部屋が一気に雑然として窮屈になってしまい心がザワザワした。

彼らしい部屋はもうなくなってしまった。彼は、一体どんな気持ちなんだろうか?

そして、前ステージ(2007年)に登場しこのステージでも荷物に入っていた表彰状は、(おそらく彼の意向で)今回は壁に飾ることができなくなっているが、大事な表彰状がベッドの下に追いやられてしまった主人公はどんな気持ちなんだろうか?

このステージをクリアしたあと、この人と一緒に暮らすステージが続くのだろうか?


次のステージ(2年後の2012年)では、主人公は1人で実家に戻ってきていた様子。荷物がずいぶん少なくなっていたので、彼女が決心して色々なものを手放してきたことを思うと胸が苦しくなった。荷解きだけでこんなにストーリーに引き込まれて、こんなに気持ちが動くなんて不思議なゲームだ。

ちなみに、私と夫もそれぞれゲーム内の彼らと似たような嗜好と境遇である。2010年のステージを遊んでいたら、同棲当時に夫に同じような気持ちにさせたのではと不安になっていった。私は自分に不満がなかったばかりに、夫への配慮を忘れてしまっていたのではないか。

思い切って率直に尋ねてみると、彼は、私のインテリアはhomeyで気に入ってくれていると教えてくれた。今でも仲良く暮らせているわけで、どこかで彼が受け入れてくれているのは分かっていたけれど、こういう切り口で話ができたのは面白い出来事になった。(それでも、キャラもののぬいぐるみは自分の部屋に閉じ込めておくことにする。笑)

『Unpacking』
ストーリーだけでなく、現実世界のインテリアや生活にも刺激を与えてくれたいい作品だったなぁ。

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