猫と海外移住 ー準備と手順編ー

インドア派のおでかけ

この写真の猫は、我が家の大事な一員。3か月の子猫の頃から一緒に暮らしてきました。

カナダ移住が決まった時にまず一番に考えたのは、どうやってこの子を連れて行くのか。そして私にできるのか。いろいろ検討した結果、私たちと一緒に飛行機に乗せることに。海をこえ、初めての長時間フライトを乗り越え、カナダにやってきました。

当時、こちらの猫は6歳(オス)。新幹線移動や引越しの経験はあり、車内では比較的お利口さんに過ごせていました。ペットホテルやシッターさんにお世話になったこともあります。しかし飛行機だけは未経験でした。

今回は、そんなペットとの海外移住の経験を時系列にまとめてみました。海外に引っ越すのはもちろん初めての経験でとても不安でしたが、振り返ってみるとほとんどトラブルなく引っ越しができたと思います。これからペットを連れて海外への引っ越しを考えている方に、少しでも参考になれば幸いです。

この記事は、読者のペットの渡航を保証するものではありませんのでご注意下さい。

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1.渡航の6ヶ月前

この時点では『海外移住するかもしれないね〜』程度の我が家。何がどう転ぶかわからない状況だったので、まずは手順やルールを調べることから始めました。

出国・入国条件を調べる

日本出国の条件
動物検疫所のHPで確認することができました。事前に輸出検査申請書を提出し、輸出時に輸出検査を受けることになるとのこと。必要な書類もここからダウンロードできました。

日本を出国するためには、動物検疫所において出国前に狂犬病(犬の場合は狂犬病とレプトスピラ症)についての検査及び輸出検疫証明書の交付を受けなければなりませんので、事前(出国7日前まで*)に動物検疫所に、輸出検査申請書を提出するか、NACCS(動物検疫関連業務)にて申請した上で、御連絡ください。

犬、猫を輸出するには/動物検疫所より抜粋



◉カナダ入国の条件

相手国に入国するための条件(入国条件)が決められていることがあります。入国条件は、日本にある相手国大使館(外部リンク)又は相手国の動物検疫機関に、直接ご確認ください。

犬、猫を輸出するには/動物検疫所より抜粋

動物検疫所によると、上記のように入国先の条件は自分で確認しておく必要があります。私は、Canadian Food Inspection Agency(カナダ食品検査庁)のこちらのページを参考に、入国条件を確認しました。

2.渡航の5ヶ月前〜2ヶ月前

カナダ移住が決定したのは、渡航日の3ヶ月ほど前のこと。それでも、何月頃になるかが決まったくらいのアバウトな感じでした。はっきりとした予定がわかるまでは下調べとスケジュールを立てることに集中し、決まったらすぐに動けるようにしておきました。

スケジュールやタスクの管理には、XMindというマインドマップ(アプリ)を活用しました。下の記事には実際に作ったマインドマップ(簡略版)を添付していますので、参考にしてみてください。前もって計画をよく練っていたことで、あとは計画通りに動くだけになったので、スムーズに準備できたと思います。

①ワクチン接種・マイクロチップ装着

出入国条件を確認した後は、ワクチン等の相談や署名の依頼をするため、かかりつけの動物病院に行きました。

獣医師さんからは、複数のワクチン接種をする場合は1ヶ月の間隔を空けて打つ必要があることや、ワクチンの有効期限を教えてもらいました。また、念の為マイクロチップ(日本に帰国する場合に必須)についても装着の費用や方法などを説明してもらいました。

私は「ワクチン接種やマイクロチップ装着はあって困るものではない」と判断し、早めに済ませておくことにしました。

②ペットの輸出方法の下調べ

ペットの輸出は自分で行う他に、代理業者に依頼する方法もあるので、メリットデメリットを調べておきました。また、機内持ち込みはエアラインによって条件が異なるので、どのエアラインが自分に合っているかも調べました。

カナダまでは約9時間のフライト。飛行機に乗せるとなれば初めての経験になるので、フライト中も猫の様子を確認できるように客室に持ち込めたらいいなと思っていました。エアカナダなら客室持ち込みができると知り、指定のキャリーサイズを確認し、購入したい商品をいくつか選んでおきました。

③veterinary certificateのテンプレ作成

カナダ移住が決まってからは、書類の準備に取り掛かりました。

カナダ入国時に必要となるveterinary certificateは、特に形式が決まっていないということで、まずはテンプレート作りから。Canadian Food Inspection Agency(カナダ食品検査庁)のHPで記載項目を確認し、ワクチン接種後に詳細を書き込むだけにしておきました。

ちなみに、日本出国時に必要な輸出検疫申請書は形式が指定されており、動物検疫所のHPからダウンロードできます。

3.渡航の1.5ヶ月前

この時点でフライトの予約が完了し、やっと渡航日が決定しました。引っ越しの手配・ビザの準備・役所手続きなどで一気に忙しくなりましたが、事前に計画を立てていたおかげで、スムーズに準備ができました。

①ペットの客室持ち込みの予約

猫または犬の機内持ち込み・貨物室でのお預かりを希望される場合は、事前にご連絡いただく必要があります。
まず、ご希望のフライトをご予約ください*。フライトの予約が完了したら、エア・カナダ コールセンターに電話で連絡をして、ご利用便にペットを持ち込むための事前登録*を行います。

その際、次の情報をご提供ください。 
・キャリーケースの寸法
・ペットの重量と種類

ペットの同伴に手続きは必要ですか。(ペット連れのご旅行について/エアカナダ)より抜粋

フライトを予約したエアカナダには、予約後すぐに電話をしてペットの客室持ち込みの申し込みをしました。機内持ち込めるペットの数には制限があるようなので、早めに連絡してよかったです。支払いはカードでできました。

②キャリーの準備

また上記の引用にもあるように、この電話の時にキャリーのサイズも確認がありました。下調べ(2-②)の時に選んでおいた商品の寸法(若干サイズオーバー)を伝え、これが使用可能であるか確認しました。電話口の担当者は、ソフトキャリーなら多少のサイズオーバーは大丈夫とのことで、このキャリーを購入することにしました。

しかし、当日のチェクインカウンターでは、やはりキャリーのサイズオーバーを指摘されました。その時は電話で確認済みである旨を伝えると通してもらえましたが、ラッキーだっただけかもしれないので注意してください。(ちなみに、カナダ到着後の国内線では、キャリーの計測すらありませんでした)

4.移住1ヶ月前

準備もいよいよ大詰めです。

①出入国に必要な書類の作成

この時点で必要なワクチン接種などは完了していたので、必要書類の作成に取り掛かりました。
今回、私たちが準備したのは、以下の2種類です。

  • 狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫申請書(日本出国用)
  • veterinary certificate (カナダ入国用)

日本出国用の輸出検査申請書(猫)は、動物検疫所のHPからダウンロードしました。カナダ入国用veterinary certificate は、事前(2-③)に作っていたテンプレの空欄を埋めていきました。

②動物検疫所へ連絡

出発検査時に、書類の不備で輸出できなくることを防ぐため、出発空港(港)の動物検疫所に、輸出に必要な書類又はその下書きをFAX、メール等で送付し、事前の内容確認を依頼することをお勧めします。

犬、猫を輸出するには/動物検疫所 https://www.maff.go.jp/aqs/animal/aq12-1.html

書類の作成が済んだら、上記にもあるように動物検疫所にメールで連絡を取りました。利用する空港を管轄する動物検疫所はHPで確認できます。

メールに記載した内容は、大きく分けて以下の3点。確認してもらう書類(狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫申請書・veterinary certificate)を添付して送りました。

  • ペットを輸出したい旨
  • 予約したフライト情報
  • 書類や輸出検査に関する質問


返信はとても親切で、詳しく教えてもらえたので安心できました。このメールのやりとりにより、輸出検査申請書の提出と検疫の予約が完了です。動物検疫所のHPには出国の7日前までにと書かれていますが、添削や質問もあったので早めに連絡をしてよかったです。

実際の検疫時に必要となる書類(上記の2種類や検疫所から指定されたワクチン接種証明書)の原本は、提出しやすいように手荷物用のファイルにまとめておきました。獣医師の署名が必要なものは、動物検疫所の添削が完了した後に署名をもらいに動物病院に行きました。

これにて検疫に関する事前準備は完了です。

③ペットホテルの手配

私たちは、借りていたマンションの明け渡しもあったので、渡航3日前から空港ホテルに滞在する予定になりました。ペットは持ち込みができないホテルだったので、付近のペットホテル(空港間の送迎付き)を手配しておきました。

また、カナダでも入国後すぐに隔離(入国後の陰性検査結果待ち)があったので、その期間のペットホテルも手配しました。

渡航後の暮らしで日用品の準備

カナダの最終目的地到着後しばらくは、猫を義実家で預かってもらうことにしました。フライトでストレスがかかった猫が安心して暮らせるように、好みのフードや使い慣れた形のトイレを購入して義実家に送っておきました。

まとめ

ただでさえ慣れない海外への引っ越しで、そのうえペットの検疫等は本当不安でした。しかし、こうして振り返って考えると、事前の下調べや綿密に計画を練っておいたことが、本当に役に立ったと思います。1週間ほどのホテルステイや長時間のフライトに耐えてくれ、新たな土地でも変わらず癒しをくれる猫には感謝です。読者さんのペットも、安全に快適に海外へ引っ越せるよう願っています。

コメント

  1. さえ より:

    はじめまして、コメント失礼します。
    11月にカナダへ猫と一緒に行く事が決まり、今準備を進めているところで、つきのこさんのこちらのブログを参考にさせていただいています。
    本当に分かりやすくて助かっています。ありがとうございます(=^x^=)

    一つ質問させていただきたいのですが、猫ちゃんをカナダに連れて行く際カナダ側へ事前連絡は必要でしたか?
    頑張って調べているんですが、なかなかカナダ側の情報が見つけれずで…
    ちなみに私も猫と一緒に客室にいられるエアカナダを選びました!

    • つきのこ つきのこ より:

      さえさん
      コメントありがとうございます!
      そして、準備が差し迫っている中で、お返事が遅くなってしまいごめんなさい。

      カナダへは特に連絡はせず渡航しました^^
      (当時、私もそういった事前連絡の必要性に関する情報が見つけられず不安だった記憶があります。)
      それでも問題なくスムーズに検疫も受けられました。
      動物連れだからといって仰々しい対応もなく、検疫自体も空いていて、すぐに終えた記憶があります。

      やっぱり猫ちゃんの様子をいつでも確認できる方が安心ですよね。
      ロングフライトですが、さえさんも猫ちゃんも飛行機頑張ってくださいね!

      私の当時の記憶でよければ、いつでもお伝えしますので、何かあればまたコメントくださいね^^

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